松本猛(たけし) 公式サイト / トリックアートの世界

つれづれ日記/安曇野ちひろ美術館前館長、長野県信濃美術館・東山魁夷館前館長松本猛(たけし)のBlog

カテゴリ: つれづれ日記

トリックアートの世界

更新日:2010.09.18

 県信濃美術館で10月24日まで「トリックアートの世界」展が開かれている。建物の窓が実は描かれた窓だったり、人間の顔が、近くによって見ると果物でできていたり、人はだまされることに喜びを感じることがある。だまし絵は洋の東西を問わず、人々を楽しませてきた。

 もともと、絵は「本物のように見える」ことを求めて発展してきたが、写真の登場で絵とは何かを問い直すことになった。今回の展覧会では、あえて、写真と絵が、どちらがリアルかを問う作品も少なくない。視覚はだまされるものなのだ。

 古代ギリシャの画家の腕比べの話は有名だ。一人はたわわに実ったぶどうをを描き、もう一人は自分の絵を布で覆っていた。鳥が、描かれたぶどうを本物と間違えてついばみに来て、ぶどうを描いた画家は自分の勝利を確信し、相手に、早く絵を覆っている布を取れといった。しかし、実はその布は描かれた布だった。

 今回展示されている福田美蘭の作品は、レオナルド・ダ・ヴィンチの聖母子像を違う角度から見たものだ。描かれている幼児キリストの目で聖アンナと聖母マリアを見ている。見慣れた世界が、視点を変えることによって、新しい世界が出現する。

 現実の社会も、視点を変えることによって実は見え方も変わってくる。買い物に行って、店で商品を眺める時、売り手の視点に立ってみれば、何を売りたがっているのかが、見えてくるだろう。政治の世界にもトリックがたくさん隠されているかもしれない。

松本猛

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